質問:新潟県内の建設会社新潟県内の建設会社です。建設キャリアアップシステムに登録しています。
建設キャリアアップカードの色を変えるには(レベルアップ)どのような手続きが必要ですか?
回答:トラスト行政書士事務所まず、キャリアアップカードとは
キャリアアップシステムに技術者登録(本人情報、所属事業者名、保有資格、社会保険加入状況等を登録)をすると1名につき1枚発行されるカードのことです。
現場入場の際にカードを読取り、いつ、どの現場に、どの職種で、どの立場(職長など)で働いたのか、日々の就業実績として電子的に記録・蓄積することができます。
最初はレベル1の白色のカードが発行されます。
業種ごとに保有資格や経験などの能力評価基準が決まっているので、申請すれば、レベル2~レベル4にレベルアップすることができます。
国土交通大臣が認定した能力評価基準に基づき、業種ごとの能力評価実施団体が評価を行います。
能力評価実施団体ごとに申請方法や必要書類が異なります。
「建設キャリアアップカードの色を変えたいのですが、どうすればいいですか?」
「今は白色のカードですが、青色やシルバー、ゴールドのカードにレベルアップできますか?」
「どのような資格や経験があればレベルアップできるのでしょうか?」
建設会社の方から、このようなご相談をいただくことがあります。
建設キャリアアップシステム(CCUS)では、技能者の保有資格や就業履歴、職長・班長としての経験などをもとに、技能レベルを4段階で評価する仕組みがあります。
技能レベルが上がると、建設キャリアアップカードの色も変わります。
今回は、建設キャリアアップカードのレベルアップについて、申請方法や費用、申請前に確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。
建設キャリアアップカードとは?
建設キャリアアップカードとは、建設キャリアアップシステム(CCUS)に技能者として登録した際に発行されるカードです。
CCUSには、技能者の
- 本人情報
- 所属事業者
- 保有資格
- 社会保険加入状況
- 就業履歴
- 職長・班長としての経験
などの情報を登録・蓄積することができます。
現場に設置されたカードリーダー等でカードを読み取ることによって、いつ、どの現場で、どの職種として、どのような立場で働いたのかという就業履歴を蓄積していくことができます。
このように、CCUSは技能者の経験や技能を「見える化」するための仕組みです。
建設キャリアアップカードは4段階のレベルがある
技能者の能力評価は、原則としてレベル1からレベル4までの4段階で行われます。
| レベル | 技能者の位置付け | カードの色 | レベル1 | 初級技能者・見習い技能者 | 白 | レベル2 | 中堅技能者・一人前の技能者 | 青 | レベル3 | 職長として現場に従事できる技能者 | シルバー | レベル4 | 高度なマネジメント能力を有する技能者等 | ゴールド |
|---|
つまり、最初に発行されるカードが白色のレベル1で、その後、能力評価の基準を満たすことでレベル2、レベル3、レベル4へとレベルアップすることができます。
ただし、単純に「何年働いたからレベルアップできる」という仕組みではありません。
業種ごとに定められた能力評価基準を満たす必要があります。
建設キャリアアップカードの色を変えるには?
カードの色を変えるためには、技能者の能力評価を申請する必要があります。
能力評価では、主に次のような情報が確認されます。
①就業日数
CCUSに蓄積された就業履歴などをもとに、必要な就業日数を満たしているか確認します。
②保有資格
その業種に必要となる資格や技能講習等を取得しているかを確認します。
③職長・班長としての経験
レベル3やレベル4などでは、職長・班長としての一定の経験が評価対象となる場合があります。
このほか、業種によって能力評価基準が異なります。
そのため、
「とび工でレベルアップする場合」と「配管工でレベルアップする場合」では、必要な条件が違います。
まず、自分がどの職種・業種でレベルアップするのかを確認することが大切です。
レベル2・3・4のどれを申請すればいい?
「レベル1なので、まずレベル2を取得しなければいけないのですか?」
という質問もよくあります。
必ずしも、レベル2から順番に申請しなければならないわけではありません。
レベル4の能力評価基準を満たしている場合には、レベル1からレベル4の能力評価を申請できる場合があります。
ただし、レベル4の基準を満たすためには、レベル4だけでなく、その業種で必要とされるレベル2・レベル3の資格や経験等についても確認が必要です。
そのため、
「いきなりレベル4を申請できるのか?」
については、希望する業種の最新の能力評価基準を確認する必要があります。
能力評価は誰が行う?
能力評価は、国土交通大臣が認定した能力評価実施団体が、業種ごとの能力評価基準に基づいて行います。
ここが重要なポイントです。
建設キャリアアップシステムに登録しているからといって、CCUSの登録だけで自動的にレベルアップするわけではありません。
業種ごとに定められた能力評価基準を確認し、所定の方法で能力評価を申請する必要があります。
また、能力評価実施団体によって、申請方法や必要書類が異なる場合があります。
能力評価の申請は本人が行うの?
能力評価の申請については、所属事業者が技能者本人の同意を得たうえで代行して申請する方法があります。
そのため、実際の申請方法については、所属事業者と相談しながら進めることが大切です。
「技能者本人が直接申請すればいい」と考えていると、申請方法を間違えてしまう可能性があります。
能力評価を申請する前に確認したいこと
レベルアップの申請をする前に、いくつか確認しておきたいポイントがあります。
①「簡易型」登録になっていないか?
CCUSの技能者登録には「簡易型」と「詳細型」があります。
能力評価を申請する場合、登録されている情報によっては、資格情報等が十分に登録されていないため、先に詳細型への変更が必要となる場合があります。
そのため、
現在、自分の技能者登録がどのような状態になっているのか
を確認しておきましょう。
②保有資格がCCUSに登録されているか?
レベルアップには、業種ごとに定められた資格等が必要となる場合があります。
せっかく資格を持っていても、CCUSにその資格情報が登録されていなければ、能力評価の際に必要な情報として確認できない場合があります。
そのため、申請前に、
- 資格
- 技能講習
- 特別教育
- 登録基幹技能者資格
- その他必要な資格等
が正しく登録されているか確認しましょう。
③就業履歴がきちんと蓄積されているか?
CCUSでは、現場での就業履歴が重要な情報になります。
カードを現場で適切に読み取っていないなどの事情により、実際には働いていたにもかかわらず、CCUS上の就業履歴が十分に蓄積されていないケースも考えられます。
「何年間も建設現場で働いているから大丈夫」
と考えるのではなく、CCUS上に必要な就業履歴が登録されているかを事前に確認することが大切です。
複数の業種でレベルアップする場合の注意点
1人の技能者が複数の業種について能力評価を申請する場合には、申請する順番にも注意が必要です。
例えば、
- とび工 レベル2
- 配管工 レベル4
を同時期に申請する場合を考えてみます。
この場合、先にレベル4となる業種について申請しておくことで、その後のカード発行に関する費用を抑えられる場合があります。
これは、最終的に発行されるカードが、最も高いレベルの色になるためです。
ただし、手数料や申請方法については制度変更や能力評価実施団体によって異なる場合がありますので、申請時点の最新情報を確認してください。
能力評価にかかる費用は?
能力評価には手数料がかかります。
以前は、
- レベル判定費用
- カード発行手数料
を合わせて4,000円程度というケースがありました。
ただし、手数料は能力評価実施団体や申請内容によって異なる場合があります。
また、カードの色が変わる場合と、レベルだけが変更されカードの色が変わらない場合では、費用の扱いが異なることがあります。
そのため、申請前に必ず最新の手数料を確認するようにしましょう。
能力評価の申請方法
申請方法は、能力評価実施団体によって異なります。
一般的には、
STEP1 現在の登録情報を確認
CCUSの技能者情報について、
- 技能者情報
- 保有資格
- 就業履歴
- 職長・班長経験
などを確認します。
STEP2 希望する業種の能力評価基準を確認
レベル2、レベル3、レベル4のどの基準を満たしているのかを確認します。
STEP3 必要な資料を準備
資格証明書や経歴を証明する資料など、能力評価実施団体が求める書類を準備します。
STEP4 能力評価を申請
所属事業者による申請など、指定された方法で申請します。
STEP5 審査・能力評価
提出された資料をもとに、能力評価実施団体が審査します。
STEP6 新しいカードが発行される
レベルアップが認められると、評価された技能レベルがCCUSの技能者情報に反映され、必要に応じて新しいカードが発行されます。
必要書類は業種によって違います
能力評価の申請に必要な書類は、業種や能力評価実施団体によって異なります。
例えば、
- 技能者登録情報
- 能力評価申請書
- 資格証明書
- 技能講習修了証
- 経歴を証明する書類
- 職長・班長経験を証明する資料
- 振込明細等
が必要となる場合があります。
また、経歴を証明する事業者の証明や、個人情報の利用に関する同意書等が必要となる場合もあります。
「とりあえず申請してみよう」と考えるのではなく、先に必要書類を確認してから申請することをおすすめします。
建設キャリアアップカードのレベルアップは「資格・経験・登録情報」の確認が重要
建設キャリアアップカードの色を変えるためには、単に長く建設業に従事しているだけでは足りません。
重要なのは、
①どの業種でレベルアップするのか
②必要な就業日数を満たしているか
③必要な資格を取得しているか
④CCUSに資格情報が登録されているか
⑤職長・班長等の経験を満たしているか
⑥必要な証明書類を準備できるか
という点です。
特に、CCUSに登録されている情報と、実際の資格・経験に違いがある場合には、能力評価の申請前に情報を整理しておくことが重要です。
建設キャリアアップカードのレベルアップでお困りではありませんか?
「白色のカードから青色にしたい」
「レベル3やレベル4を取得できるのか確認したい」
「資格は持っているがCCUSに登録されていない」
「就業履歴がきちんと登録されているか分からない」
「複数の業種について能力評価を申請したい」
「必要書類が多く、どこから手を付ければよいか分からない」
このような場合には、まず現在のCCUS登録情報と保有資格、これまでの経験を整理することから始めましょう。
建設キャリアアップシステムは、単にカードを持っているだけではなく、技能者の経験や資格を蓄積し、その能力を客観的に評価していくための仕組みです。
せっかく長年建設現場で経験を積み、資格を取得していても、必要な情報が登録されていなければ、能力評価の申請で手間取ることがあります。
レベルアップを検討されている方は、早めに現在の登録状況を確認しておくことをおすすめします。
当事務所では、建設業者の皆様から建設キャリアアップシステムに関するご相談もお受けしています。
「自分はどのレベルまで上げられるのか?」
という段階からでも構いません。
保有資格や就業経験、現在のCCUS登録状況などを確認しながら、必要な手続きについてご案内します。



