【建設業ご相談事例】建設業許可の業種追加(機械設置工事業)

質問 新潟市内の建設会社

現在、新潟県知事許可の一般建設業許可を取得しており、とび・土工工事業を営んでいます。

今回、新たに機械器具設置工事業の許可を追加したいと考えています。

営業所は現在の営業所と同じで、営業所技術者等についても、現在の担当者が兼任する予定です。

この担当者には、機械器具設置工事について13年の実務経験があります。

この場合、機械器具設置工事業の許可を追加することはできるのでしょうか。

回答 トラスト行政書士事務所

機械器具設置工事業の業種追加では、まず、営業所技術者等が追加する業種の要件を満たしているかを確認する必要があります。

一般建設業の場合、一定の国家資格などを持っていることのほか、原則として10年以上の実務経験によって要件を満たせる場合があります。

ただし、実務経験が13年あるというだけで、必ず許可を取得できるわけではありません。

重要なのは、その経験が機械器具設置工事業の実務経験として認められる内容なのか、そして、その経験を適切な資料で証明できるかという点です。

実際に、長年の経験があっても、工事内容や証明資料の問題から、すぐには申請できないケースがあります。

今回は、機械器具設置工事業の業種追加について、営業所技術者等の要件と実務経験を証明する際の注意点を解説します。

1.業種追加とは?

業種追加とは、すでに建設業許可を取得している事業者が、新たに別の業種の許可を取得する手続きです。

例えば、現在、とび・土工工事業の許可を持っている会社が、機械器具設置工事業の許可を追加する場合が該当します。

建設業許可は、建設工事の種類ごとに業種が分かれています。

そのため、現在持っている許可だけでは対応できない工事を請け負いたい場合、工事の内容に応じて別の業種の許可が必要になることがあります。

ただし、工事の名称だけで業種が決まるわけではありません。実際の施工内容や工事全体の目的などによって判断が必要です。

まずは、これから請け負いたい工事が、本当に機械器具設置工事業に該当するのかを確認することが大切です。

2.機械器具設置工事業の業種追加に必要な要件

業種追加では、追加する業種について、営業所技術者等の要件を満たす必要があります。

一般建設業の場合、主に次のような方法があります。

  • 該当する国家資格などを有している
  • 指定学科を卒業し、所定の実務経験を有している
  • 原則として10年以上の実務経験を有している
  • 法令で定められた、複数業種に関する特定の実務経験要件を満たしている

どの要件に該当するかによって、必要な資格や経験、証明資料が異なります。

また、営業所技術者等は、原則としてその営業所に常勤し、専任する必要があります。

すでに別の業種の営業所技術者等となっている人が新しい業種を兼任する場合も、追加する業種の要件を満たしているか、現在の配置状況で兼任できるかを確認しなければなりません。

3.機械器具設置工事業は、実務経験の内容が重要です

機械器具設置工事業の許可を、10年以上の実務経験によって取得しようとする場合は、経験年数だけでなく、実際にどのような工事に携わっていたのかが重要になります。

機械器具設置工事は、機械器具の組立てなどにより工作物を建設し、または工作物に機械器具を取り付ける工事です。

例えば、機械器具の設置に関係する工事であっても、具体的な施工内容によっては、他の建設業種に分類されることがあります。

単に機械を運搬したり、製品を納入したり、機器の保守点検をしたりした経験が、すべて機械器具設置工事業の実務経験として認められるわけではありません。

そのため、実務経験を証明する際には、工事名だけでなく、工事の具体的な内容も整理しておくことが重要です。

4.10年以上の実務経験があっても、証明できなければ認められないことがあります

ここが、業種追加で特に注意したいポイントです。

例えば、機械器具設置工事に13年間携わっていたとしても、その期間に行った工事が、許可を受けようとする機械器具設置工事業の実務経験に該当するかを確認する必要があります。

また、実務経験は、本人が「長年この仕事をしていた」と説明するだけでは足りません。

申請では、実務経験証明書などを作成し、必要に応じて工事の請負実績や勤務状況などを裏付ける資料を提出します。

新潟県の申請では、最新の建設業許可申請等の手引きに基づき、証明者や実務経験を裏付ける資料について確認する必要があります。

実務経験の年数と、その経験を許可申請で証明できることは、別の問題です。

過去の勤務先が廃業している場合や、工事資料が残っていない場合などは、証明方法について事前に検討する必要があります。

5.実務経験証明書はどのように作成する?

10年以上の実務経験によって要件を満たそうとする場合、実務経験証明書を作成します。

証明書には、実務経験を積んだ期間や勤務先、従事した工事の内容などを記載します。

主な確認事項は次のとおりです。

  • 実務経験を積んだ期間
  • 当時の勤務先の名称や所在地
  • 当時の職名や立場
  • 実際に従事した工事の名称や内容
  • 実務経験を証明する人
  • 工事実績や勤務状況を裏付ける資料

勤務先が複数ある場合は、それぞれの期間について証明が必要になることがあります。

また、実務経験証明書に記載した工事について、請負契約書、注文書・請書、請求書などの資料を求められる場合があります。

どの期間の資料が必要になるか、どのような資料が認められるかは、申請内容や新潟県の最新の取扱いを確認してください。

6.実務経験を証明する際の注意点

実務経験を証明する際には、次の点に注意しましょう。

① 工事の内容が機械器具設置工事に該当するか

工事名に「機械設置」と書かれていても、それだけで機械器具設置工事業の実務経験と認められるとは限りません。

実際の施工内容を確認し、許可を受けようとする業種に該当する工事であることを説明できるようにしておく必要があります。

② 実務経験を証明する人や会社を確認する

実務経験証明書では、誰がどの期間の経験を証明するのかが重要です。

過去の勤務先で経験を積んだ場合は、その勤務先や証明者の状況を確認しましょう。

また、証明者側の建設業許可の取得状況などが審査上の確認事項になる場合もあります。

特に機械器具設置工事業の実務経験については、元の勤務先の許可状況や工事実績を含め、どのような資料で経験を証明できるかを申請前に確認することをおすすめします。

③ 自社で行った工事の実績を確認する

自社での実務経験を証明する場合は、過去の工事実績や決算変更届の内容なども確認しておきましょう。

決算変更届の工事施工金額に、許可を受けている業種以外の工事実績を適切に記載しているかなど、過去の届出内容が確認の手がかりになることがあります。

ただし、決算変更届に工事実績が記載されていることだけで、営業所技術者等の実務経験が当然に認められるわけではありません。工事の内容や期間、裏付け資料などを総合的に確認する必要があります。

④ 過去の勤務先が廃業している場合

以前勤めていた会社が廃業している場合や、代表者と連絡が取れず証明を受けることが難しい場合もあります。

このような場合は、実務経験を証明できない理由や、代わりに提出できる資料があるかなどを検討しなければなりません。

証明者の押印が得られないからといって、必ず申請できないと決まるわけではありませんが、代替資料でどこまで証明できるかは個別に確認が必要です。

7.新潟県で業種追加を申請する際の注意点

建設業許可の申請では、都道府県によって様式や確認資料、実務上の取扱いなどが異なる場合があります。

新潟県知事許可の業種追加を行う場合は、新潟県が公表している最新の「建設業許可申請等の手引き」や、申請書類のチェックシートを確認しましょう。

新潟県では、建設業許可の審査・相談窓口が県庁に集約されています。また、紙による申請に加え、建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)を利用できる場合もあります。

申請前には、次の点を整理しておくとスムーズです。

  • 追加したい業種が、実際の工事内容に合っているか
  • 営業所技術者等の資格・実務経験要件を満たしているか
  • 実務経験証明書を作成できるか
  • 実務経験を裏付ける資料を準備できるか
  • 現在の許可内容や届出状況に問題がないか

実務経験による申請は、証明資料の準備に時間がかかることもあります。申請を予定している場合は、早めに確認を始めましょう。

8.機械器具設置工事業の業種追加は、事前確認が大切です

機械器具設置工事業の業種追加では、10年以上の実務経験があることだけでなく、その経験が許可要件に該当し、必要な資料で証明できることが重要です。

当事務所では、新潟市及び新潟市近郊の建設会社様を中心に、建設業許可の新規取得、業種追加、更新、決算変更届、経営事項審査などをサポートしています。

「機械器具設置工事の経験は長いが、許可を取得できるか分からない」

「過去の勤務先での経験を証明できるか不安がある」

「現在の営業所技術者等で、別の業種も兼任できるか確認したい」

このような場合は、申請書を作成する前に、実務経験の内容や証明資料を確認することをおすすめします。

行政書士からのアドバイス

建設業許可の業種追加は、必要な書類を集めて提出すればよい、という単純な手続きではありません。

特に実務経験によって要件を満たそうとする場合は、経験年数だけでなく、工事内容や証明者、裏付け資料などを確認する必要があります。

申請準備を進めた後で実務経験を証明できないことが分かると、時間や労力が無駄になってしまうこともあります。

「10年以上の経験があるから大丈夫」と判断する前に、まずは許可要件を満たしているかを確認しましょう。

トラスト行政書士事務所では、機械器具設置工事業をはじめとする建設業許可の業種追加についてご相談を承っております。新潟市及び新潟市近郊の建設会社様は、お気軽にお問い合わせください。

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