「建設業許可を自分で申請したいのですが、必要書類を教えてもらえますか?」
「申請書の作成を始めてみたのですが、難しくて途中で止まってしまいました」
建設業許可について、このようなお問い合わせをいただくことがあります。
建設業許可の申請書や手引きは、各行政庁のホームページなどから入手することができます。
そのため、
「時間をかければ自分でも申請できるのではないか」
と考える方も少なくありません。
実際、自社で申請することにはメリットがあります。
行政書士に依頼する費用を抑えることができますし、自分で申請書を作成することによって、建設業許可の仕組みや自社の許可要件について詳しく知ることができます。
しかし、初めて建設業許可を申請する場合、実際に手続きを始めてみると、
「思っていたよりも、はるかに資料が多い」
と感じる方も多いのではないでしょうか。
特に大変なのが、単に申請書を書くことではありません。
建設業許可の要件を満たしていることを証明するための、いわゆる**「確認資料」**を集め、整理する作業です。
この記事では、建設業許可の新規申請でどのような資料が必要になるのか、そして行政書士に依頼することでどのようなメリットがあるのかについて、分かりやすく解説します。
「必要書類だけ教えてほしい」というご相談について
お客様から、
「自分で申請するので、必要書類だけ教えてください」
というお問い合わせをいただくことがあります。
しかし、建設業許可の場合、実は「必要書類の一覧」をお伝えするだけでは十分ではありません。
なぜなら、必要となる資料は申請する会社や個人事業主の状況によって変わるからです。
例えば、経営業務の管理責任者についても、
- 会社の役員として経験しているのか
- 個人事業主として経験しているのか
- 他社で経験しているのか
- 経営者を補佐する立場として経験しているのか
- その経験をどのような資料で証明できるのか
によって、確認すべき資料が変わってきます。
専任技術者についても同様です。
資格によって要件を満たすのか、実務経験によって証明するのかによって必要な資料は異なります。
そのため当事務所では、単純に「この書類を集めてください」と一覧表だけをお渡しするのではなく、まずお客様の状況を詳しくお伺いします。
そのうえで、
「この方の場合には、この資料が必要です」
という形で具体的にご案内するようにしています。
建設業許可は「取ったら終わり」ではありません
建設業許可は、取得すればそれで手続きが終了するわけではありません。
許可取得後も、事業を継続していくためには、
- 毎事業年度終了後の決算変更届
- 許可更新の申請
- 役員変更などの各種変更届
- 経営業務の管理責任者や専任技術者に関する変更
- 営業所に関する変更
- その他、会社の状況に応じた各種届出
などが必要になります。
そのため、建設業許可を取得した会社自身が、
「自社にはどのような許可があるのか」
「誰が経営業務の管理責任者なのか」
「誰が専任技術者なのか」
「担当者が退職した場合にはどうすればよいのか」
といったことを理解しておくことは、とても大切です。
自社で申請するメリットもあります
当事務所では、「建設業許可は必ず行政書士に依頼した方がいい」と考えているわけではありません。
時間をかけて自社で申請することにもメリットがあります。
自社で申請書を作成することで、建設業許可の制度について理解が深まり、許可取得後の管理にも役立つからです。
例えば、許可取得後に、
「経営業務の管理責任者をしている役員が退職することになった」
「専任技術者が退職することになった」
という場合があります。
会社側が許可制度を理解していれば、
「退職してから考えればいい」
ではなく、
「この人が退職すると許可に影響する可能性がある。後任者を準備しなければならない」
と事前に気付くことができます。
また、毎年の決算変更届についても、どのような資料が必要になるのかを理解していれば、日頃から資料を整理しておくことができます。
そしてもちろん、行政書士に依頼する報酬がかからないという点も、自社申請の大きなメリットです。
それでも新規申請は簡単ではありません
自社申請のメリットがある一方で、初めて建設業許可を申請する場合には、かなりの時間と労力が必要になります。
まず、申請書の様式を確認します。
そして手引きを読み、記載例を確認しながら、一つ一つの書類を作成していきます。
ところが、実際に書き始めると、
「この欄には何を書けばいいのか?」
「この場合はどの書類が必要なのか?」
「この資料でも証明できるのか?」
「この人は専任技術者になれるのか?」
「過去の経験はどうやって証明するのか?」
といった疑問が次々に出てきます。
そして、そこで最も時間がかかるのが資料集めです。
建設業許可で本当に大変なのは「確認資料」です
建設業許可の申請に必要となる書類は、大きく分けると、
- 申請書
- 添付書類
- 建設業許可の要件を確認するための「確認資料」
の3つに分けて考えることができます。
1.申請書
建設業許可申請書には、決められた様式があります。
様式は第1号から複数の様式に分かれており、申請する内容に応じて必要な様式を選択して作成します。
ホームページから様式や手引き、記載例をダウンロードすることはできます。
しかし、初めて作成する方の場合、記載例を見ても、
「自分の場合はどちらに該当するのか?」
「この場合はこの書類も必要なのか?」
といった疑問が出てくることがあります。
また、申請書の中には公開される情報と、公開されない情報があります。
自社の情報がどのように扱われるのかという点についても、申請前に確認しておくことが大切です。
2.添付書類
申請書以外にも、さまざまな添付書類が必要になります。
例えば、
- 専任技術者の資格証明書
- 合格証書
- 卒業証明書
- 登記されていないことの証明書
- 身分証明書
- 納税証明書
- 会社の登記事項証明書
- 残高証明書等
などです。
もちろん、すべての申請者に同じ書類が必要になるわけではありません。
会社の状況や申請内容によって必要な書類は変わります。
そのため、まず自社の場合に何が必要なのかを確認することが重要です。
3.最も重要な「確認資料」
建設業許可申請で特に重要なのが、許可要件を満たしていることを証明するための確認資料です。
ここが、初めて申請する方にとって最も難しい部分の一つです。
例えば、
「10年以上建設業に従事していました」
と申請書に書くだけでは、原則としてそれだけで経験を証明できるわけではありません。
その経験を裏付ける資料が必要になります。
経営業務の管理責任者の経験を確認する資料
例えば、経営業務の管理責任者について、過去の経営経験を確認するため、
- 会社の登記事項証明書
- 確定申告書の控え
- 工事実績が分かる請求書
- 契約書
- その他の経験を裏付ける資料
などを確認する場合があります。
また、会社の役員としての経験だけではなく、補佐経験などによって要件を証明する場合には、個別に資料を検討する必要があります。
場合によっては、当時の事業主や会社代表者に証明書を作成してもらうなど、通常の書類だけでは足りないケースもあります。
専任技術者の経験を確認する資料
専任技術者についても、
- 資格証明書
- 合格証書
- 卒業証明書
- 実務経験証明書
- 実務経験を裏付ける資料
などを確認します。
特に資格ではなく実務経験によって申請する場合には、
「本当に必要な実務経験を証明できるのか」
という点が重要になります。
「長年この仕事をしている」という事実と、「その経験を申請上の資料によって証明できる」ということは、必ずしも同じではありません。
ここを判断するには、申請書作成の経験だけではなく、実際にどのような資料を確認してきたかという経験も重要になります。
社会保険加入について確認する資料
社会保険の加入状況についても確認が必要になります。
例えば、
- 保険料の領収書
- 納入証明書
- 新規適用届
など、状況に応じて必要な資料を確認します。
会社の規模や加入状況などによっても確認する内容が変わるため、現在の状況を確認したうえで必要書類を整理します。
経営業務の管理責任者・専任技術者の「常勤性」を確認する資料
経営業務の管理責任者や専任技術者については、単に経験や資格があるだけではなく、営業所に常勤していることを確認する必要があります。
そのため、
- 健康保険関係の資料
- 社会保険関係の資料
- その他、常勤性を確認できる資料
などを確認することになります。
「資格はあるから大丈夫」
「経験年数は足りているから大丈夫」
と単純に判断するのではなく、常勤性まで含めて確認する必要があります。
営業所についても確認資料が必要です
営業所についても、単に住所を書けば終わりではありません。
営業所として使用していることを確認するため、
- 賃貸借契約書
- 営業所の写真
- 建物の状況が分かる資料
- 自宅の一部を営業所として使用している場合の使用承諾書
- 建物図面
などが必要となる場合があります。
特に自宅の一部を営業所として使用しているケースでは、
「どこが営業所なのか」
「営業所として使用できる状態になっているのか」
などを確認する必要があります。
写真についても、
「とりあえず事務所の写真を撮ればいい」
というわけではありません。
どこを撮影すればよいのか、何が写っている必要があるのかなどを確認したうえで撮影することが重要です。
当事務所では、写真撮影についても具体的にご案内しています。
ご希望の場合には、当事務所で撮影を行うことも可能です。
行政書士に依頼するメリットは「書類を書くこと」だけではありません
行政書士に建設業許可を依頼するメリットは、申請書を書いてもらえることだけではありません。
むしろ大きなメリットは、
「自社の場合、何を準備すれば許可要件を証明できるのかを整理してもらえること」
にあります。
例えば、
「過去の資料が全部残っていない」
「個人事業主時代の資料しかない」
「前の会社の資料を自分で集めることが難しい」
「実務経験をどのように証明したらいいのか分からない」
といった場合です。
このようなケースでは、単純に書類の一覧を渡されても解決できません。
現在手元にある資料を確認し、
「何が使えるのか」
「何が不足しているのか」
「不足しているものについて、別の資料で証明できないか」
を検討する必要があります。
ここが、建設業許可の申請において専門家に依頼する大きな意味の一つだと考えています。
トラスト行政書士事務所の建設業許可申請
当事務所では、お客様との最初の面談を大切にしています。
最初から大量の書類を集めていただくのではなく、まず、
- どのような建設工事を行っているのか
- どの許可業種を取得したいのか
- これまでどのような経営経験があるのか
- 専任技術者は誰なのか
- どのような資格や実務経験があるのか
- 過去の資料がどの程度残っているのか
- 営業所はどこなのか
- 会社の財産状況はどうなっているのか
などを確認します。
そして、許可要件を確認したうえで、
「このケースでは、この資料を準備してください」
と具体的にご案内します。
お客様との資料のやり取りもできるだけ簡単に
必要書類については、
- メール
- 郵送
- FAX
- 電話
など、お客様の状況に合わせてご案内しています。
「これは必要ですか?」
「この書類は手元にあります」
「昔の資料が見つかりません」
といった場合にも、一つずつ確認しながら進めていきます。
また、確認資料について、
「確定申告書が必要なのか」
「工事の請求書まで必要なのか」
「会社の登記事項証明書だけで確認できるのか」
「任意の証明書を作成する必要があるのか」
「申請先に事前に確認した方がよいのか」
といった点についても、個別に判断します。
「自分でやるか、行政書士に依頼するか」で迷っている方へ
建設業許可の申請を自社で行うか、行政書士に依頼するかは、それぞれにメリットがあります。
自社で申請する場合は、行政書士報酬を抑えることができます。
一方で、担当者が申請のために多くの時間を使うことになります。
本業が忙しい会社の場合、
「社長が何日も書類作成に時間を使う」
「事務担当者が手引きを読みながら何度も行政庁に確認する」
「資料が足りず、何度も集め直す」
ということになれば、その時間も会社にとっては大きなコストになります。
建設業許可の申請を自社で行うか、行政書士に依頼するかを検討する際には、行政書士報酬だけを見るのではなく、
「自社の社員や社長が申請にかける時間と手間」
まで含めて考えることをおすすめします。
建設業許可は早めの準備が大切です
建設業許可を取得する場合、申請書を作成する前に確認しなければならないことがたくさんあります。
特に、過去の経営経験や実務経験を証明する資料については、
「必要になってから探したら、何年も前の資料が残っていなかった」
ということもあります。
また、元請会社から急に、
「次の工事から建設業許可が必要です」
と言われてから準備を始めると、スケジュールが非常に厳しくなることもあります。
そのため、
「まだ許可が必要か分からない」
という段階でも、早めに要件だけ確認しておくことをおすすめします。
まとめ
建設業許可の新規申請は、申請書を書くだけの手続きではありません。
特に大きな負担となるのが、許可要件を満たしていることを証明するための**「確認資料」の収集と整理**です。
「どの資料が必要なのか」
「この資料で経験を証明できるのか」
「資料がない場合はどうすればいいのか」
といった判断には、一定の知識と経験が必要になります。
トラスト行政書士事務所では、お客様との最初の面談にじっくり時間をかけ、会社や事業主のこれまでの経験や現在の状況を確認します。
そのうえで、必要となる資料を整理し、お客様にできるだけ分かりやすくご案内しています。
営業所の写真についても、どこを撮影すればよいのか、どのような点に注意すればよいのかを具体的にご説明します。
ご希望の場合には、当事務所で撮影を行うことも可能です。
建設業許可の申請で大切なのは、
「たくさんの書類を集めること」ではなく、「自社の場合に何が必要なのかを正しく判断すること」です。
建設業許可の新規申請を検討されている方、
「自分で申請しようと思ったけれど難しくて止まってしまった」
「必要書類が多すぎて何から手をつければいいのか分からない」
「過去の経験を証明する資料が足りないかもしれない」
という方は、ぜひ一度トラスト行政書士事務所へご相談ください。
これまでの経験や現在の状況を丁寧にお伺いし、建設業許可取得に向けて、どのように準備を進めればよいのか一緒に整理していきます。




