建設業許可を取得してから3年が経ちました。業種はとび・土木・コンクリート工事です。今後、公共事業の工事にも携わりたいという思いがあり、今年初めて経営事項審査(以下、経審)をしようと思っています。決算変更届で毎年提出している工事経歴書の書き方が、経審をするかしないかで変わると聞いたことがあります。経審に向けて、まずは決算変更届を提出しておこうと思うので、今回は工事経歴書の書き方を教えていただきたいです。
はい!経審をする場合の工事経歴書の書き方ですね!少し複雑なので、スムーズに書けるよう、順を追ってご説明いたします。
経営事項審査をする時の工事経歴書の書き方
まずはじめに確認しておきたいのは、許可業種に関わる元請工事の合計金額です。メモをするか、工事経歴書に記載しながら確認していただければと思います。
許可業種に関わる元請工事から書きましょう
経審をしない場合、元請工事・下請工事に関わらず請負代金の大きい順に記載したと思います。ですが、経審をする場合は、まずは元請工事の請負代金の大きい順から記載する必要があります。どこまで記載すればいいのか、ですが、金額の大きい順に「元請工事の請負代金の7割を超える」又は「軽微な工事10件に達する」までとなります。
仮に、元請工事の請負金額の合計が2000万円だとした場合、パターン①1400万円までの分を書くか、パターン②1400万円に達するまでに軽微な工事の件数が10件に達すれば、記載はそこまでで大丈夫です。それぞれ図説していますので、ご確認ください。
パターン①
工事名 | 請負金額 |
A | 1000万円 |
B | 500万円 |
これで合計1500万円となり、7割の1400万円を超えたので、元請工事に関わる記載は一旦終了です!
パターン②
工事名 | 請負金額 |
E | 400万円 |
F | 300万円 |
G | 150万円 |
H | 100万円 |
I | 80万円 |
J | 60万円 |
K | 50万円 |
L | 45万円 |
M | 30万円 |
N | 25万円 |
これで軽微な工事10件に達しましたので、元請工事に関わる記載は一旦終了です!
許可業種に関わる全体の工事について書きましょう
次に確認しておきたいのが、許可業種に関わる工事の合計金額です。こちらも、メモをするか、工事経歴書に記載しながら確認していただければと思います。
まず、元請工事で軽微な工事を10件書いた場合、工事経歴書にはそれ以上記載する必要がなくなります。あとは、いつも通り小計と合計の金額を記載しましょう!
元請工事の請負代金の7割を超える金額分記載した場合は、もう少し工事について記載する必要があります。今度は、残りの工事について、元請工事・下請工事関係なく、請負代金の大きい順に記載していきましょう。こちらも、どこまで記載するか、ですが、金額の大きい順に「工事全体の請負代金の7割を超える」又は「元請と合わせた軽微な工事10件に達する」までとなります。
仮に、元請工事の請負金額の合計が2000万円で、元請工事の段階で1400万円分2件書いていたとした場合、許可業種の工事全体の請負代金が3000万円だと仮定すると、パターン①2100万円までの分を書くか、パターン②2100万円に達するまでに元請工事の件数と軽微な工事の件数が合わせて10件に達すれば、記載はそこまでで大丈夫です。それぞれ図説していますので、ご確認ください。
パターン①
工事名 | 請負金額 |
元請A | 1000万円 |
元請B | 500万円 |
C | 300万円 |
D | 250万円 |
E | 100万円 |
これで、合計2150万円となり、工事全体の7割である2100万円を超えたので、記載は終了となります!
パターン②
工事名 | 請負金額 |
元請A | 1000万円 |
元請B | 500万円 |
C | 50万円 |
D | 40万円 |
E | 35万円 |
F | 30万円 |
G | 25万円 |
H | 20万円 |
I | 15万円 |
J | 10万円 |
これで、合計件数が10件となりますので、記載は終了となります!
ここまできたら、工事経歴書の記載で残るのは、小計と合計の金額だけですね。
いかがでしたでしょうか?初めは確認などで手間取る部分もあるかと思います。当事務所でも作成のお手伝いをさせていただいておりますので、お困りの際は一度ご相談ください。