【建設業ご相談事例】  10年の実務経験について

  • 相談事例

新規の一般建設業許可を取得したいが、代表自身の10年の実務経験が営業所技術者(専任技術者)として認められるかがわからないので教えてほしいとご相談がありました。内容をまとめると次のようになります。

①足場工事がメインであり、他に解体工事も行っている

②取得したい業種はとび・土工・コンクリート工事業

③解体工事業については登録済(代表の8年の実務経験により取得)

④代表の実務経験(とび・土工・コンクリート工事、解体工事)

⑴法人化して10か月間

⑵個人事業主として6年間

⑶前勤務先で5年間

➄前勤務先は建設業許可のとび・土工・コンクリート工事業、解体工事業を取得している

➅前の勤務先から証明してもらうことはできる

個人事業を開業してから現在までの足場工事の実務経験期間は6年10か月であり、要件を満たす10年には約4年足りません。

足りない期間は、前の勤務先で足場工事の実務経験を証明してもらうことができれば、営業所の技術者としての要件を満たします。ただし、解体工事業の登録を実務経験で取得していますので、この経験期間が平成28年5月31日以降のものは重複できません。

 

 

  • 実務経験の重複とは

原則、実務経験期間が重複するものは、二重に計上することはできないため、1業種のみの申請となります。

ただし、平成28年5月31日までに請け負った解体工事は、とび・土工工事・解体工事業双方の経験期間として二重計上することができます。

これは、平成28年6月1日に、とび・土工・コンクリート工事業から「解体工事業」が新設されたことによります。

例えば・・・

▷平成元年から16年間、管工事業と、とび・土工・コンクリート工事業に従事していた場合

どちらか1業種の実務経験しか認められません。1業種の営業所技術者(専任技術者)にしかなれません。

2業種の営業所技術者(専任技術者)になる場合は、それぞれの業種で10年ずつ、20年以上の実務経験が必要になります。

▷平成元年から16年間、解体工事業と、とび・土工・コンクリート工事業に従事していた場合

平成28年5月31日以前の期間は重複して計上することができるので、「解体工事業」と「とび・土工・コンクリート工事業」2業種の営業所技術者(専任技術者)になることができます。

 

 

  • 異なる業種間での実務経験の振替え

上記の例外として、実務経験の振替ができる場合があります。取得したい業種の実務経験が10年に満たない場合でも、違う業種の実務経験と合わせて12年以上あれば、要件を満たすことができます。ただし、全ての業種間で自由に振替できるわけではなく、次の2つのケースで実務経験の振替えができます。

1.一式工事から専門工事への実務経験の振替え

土木一式 →①とび・土工・コンクリート工事、②しゅんせつ工事、③水道施設工事、④解体工事

建築一式 → ①大工工事、②屋根工事、③内装仕上工事、④ガラス工事、⑤防水工事、⑥熱絶縁工事、⑦解体工事

 

2.専門工事間での実務経験の振替え

大工工事←→ 内装

※矢印の方向に向かってのみ振替えができます。

 

実務経験の振替えをする場合には、振替元と振替先での実務経験を合わせて12年、営業所技術者(専任技術者)になろうとする業種については、8年の実務経験の証明が必要になります。

 

今回のご相談では、

平成28年5月31日以前の実務経験が4年あり、この4年はとび・土工・コンクリート工事業と解体工事業の経験に計上できます。

この他の経験期間が約7年であるため、認められる実務経験は1業種になりますが、今後、6年の実務経験と重複期間の4年でもう1業種の営業所技術者(専任技術者)になることができます。

 

 

  • まとめ

▷10年の実務経験は、複数の事業所での経験数を合算できる。

▷前に勤めていた勤務先での実務経験は、証明をしてもらう必要がある。

▷複数業種の実務経験は、原則として期間を重複できない。ただし、平成28年5月31日までに請け負った解体工事は、とび・土工工事・解体工事業双方の経験期間として二重計上することができる。

▷一定の業種の実務経験を取得したい業種の実務経験に計上することができる

 

実務経験が営業所技術者(専任技術者)の要件を満たすかどうか疑問をお持ちの方は、ぜひ一度トラスト行政書士事務所へご相談ください。

 

 

 

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