令3条の使用人とは

「建設業許可を取得したい」とお考えの方は、手引きや建設業許可サイト等で「令3条の使用人」という言葉を見たことがるのではないでしょうか。

 

令3条とは建設業法施行令第3条を言います。

建設業法施行令

 

(使用人)

第三条 法第六条第一項第四号(法第十七条において準用する場合を含む。)、法第七条第三号、法第八条第四号、第十二号及び第十三号(これらの規定を法第十七条において準用する場合を含む。)、法第二十八条第一項第三号並びに法第二十九条の四の政令で定める使用人は、支配人及び支店又は第一条に規定する営業所の代表者(支配人である者を除く。)であるものとする。

 

要するに支配人、支店長、営業所長ということになります。

 

支店長や営業所長については皆さんもイメージ出ると思うのですが、「支配人」はどうでしょうか。

レストラン、結婚式場、ホテル、ゴルフ場の責任者?のようなイメージだと思います。

 

商法には以下のように規定されています

(支配人)

第二十条 商人は、支配人を選任し、その営業所において、その営業を行わせることができる。

(支配人の代理権)

第二十一条 支配人は、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。

 支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。

 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

(支配人の登記)

第二十二条 商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければならない。支配人の代理権の消滅についても、同様とする。

 

建設業許可事務ガイドラインには以下のように規定されています

「支配人」とは、営業主に代わって、その営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をなす権限を有する使用人をいい、これに該当するか否かは、商業登記の有無を基準として判断する。

 

建設業許可においての支配人は、その営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をなす権限を有し、登記が必要ということになります。

 

このように「支配人」は、建設業に関する契約権限を含む強力な権限が当然に付与されていることに対して「支店長」「営業所長」には、必ずしもそのような権限が与えられているわけではないという点に注意しましょう。

 

 

令3条の使用人としての経験は、経営業務管理責任者に必要な期間としてカウントすることができます。

 

建設業許可事務ガイドライン

「経営業務の管理責任者としての経験を有する者」とは、業務を執行する社員、取締役、24 執行役若しくは法人格のある各種組合等の理事等、個人の事業主又は支配人その他支店長、営業所長等、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、経営業務の執行等の建設業の経営業務について総合的に管理した経験を有する者をいう。

 

令3条使用人の要件

  • 常勤性

建設業許可事務ガイドラインでは以下のように規定されています。

「建設業法施行令第3条に規定する使用人」とは、建設工事の請負契約の締結及びその履行に当たって、一定の権限を有すると判断される者、すなわち支配人及び支店又は営業所(主たる営業所を除く。)の代表者である者が該当する。これらの者は、当該営業所において締結される請負契約について総合的に管理することや、原則として、当該営業所において休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事(テレワーク(営業所等の勤務を要する場所以外の場所で、ICTの活用により、営業所等で職務に従事している場合と同等の職務を遂行でき、かつ、当該所定の時間中において常時連絡を取ることが可能な環境下においてその職務に従事することをいう。以下同じ。)を行う場合を含む。)していることが求められる。

 

  • 一定の権限が与えられていること

「支店長」「営業所長」等の名称だけでなく、実際に見積作成や契約の権限を与えられている必要があります。

 

  • 欠格要件に該当しないこと

以下の要件に該当する場合は、令3条の使用人にはなれません

1 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

2 精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者

3 不正の手段により許可を受けた場合、又は営業停止処分に違反したこと等によりその許可を取消されて5年を経過しない者

4 許可の取消処分を免れるために廃業の届出を行い、その届出日から5年を経過しない者

5 上記4の届出があった場合に、許可の取消処分に係る聴聞の通知の前60日以内に当該法人の役員若しくは令第3条に規定する使用人又は個人の支配人であった者で、当該届出の日から5年を経過しない者

6 営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者

7 営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者

8 禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

9 建設業法又は政令で定める一定の法令の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

10 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者 11 暴力団員がその事業活動を支配する者

12 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が上記1から11のいずれかに該当する者

 

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