今後、公共工事を請負っていきたいとお考えの方はいらっしゃるのではないでしょうか。
公共工事を請負うメリットは、
1. 元請け業者として工事ができる
2. 対外的な信用度が上がる
3. 請負工事を自分で決めることができる
4. 融資が下りやすくなる
5. 売上代金の未回収リスクが少ない 等々…
公共工事は発注元(国や地方自治体)の信用力が非常に高く、売掛金(工事代金)の回収が確実であるため、金融機関にとって融資のリスクが低いと判断され、融資が下りやすくなります。
上記の様に、様々なメリットはありますが、公共工事を請負うにはある一定の手続きを行うことが必要です。
今回は公共工事を請負うまでの手続きのポイントや流れをご紹介していきます。
【ご相談事例】
A社 社長様より
今年から公共工事を請負いたいと考えていて、今、新潟市のHPを見ながら書類を集めてみたけど、どうも一人でやろうとするとわからないことが多くて、、、
どうしていったらいいか教えてくれない?
A社様の状況確認
| 建設業許可 | 有 |
| 許可業種 | 管工事 |
| 技術者の人数 | 5名 |
| 決算月 | 3月 |
A社社長は建設業許可を取得しており、すぐに入札参加がすぐにできるとお考えのようです。
ですが、入札参加をするためには、順番を追った手続きが必要です。
入札参加までの流れ
- 決算を迎える (決算月3月)
- 決算書ができあがる (5月~6月)
- 経営状況分析を受ける ➡ 分析機関
- 決算変更届と経営事項審査(経審)を申請 ➡ 各都道府県(新潟県)(7月~9月)
- 経審結果通知書が届く(提出してから1か月半ほど)
- 入札参加登録をする(名簿登載) ➡ 入札予定地(今回の場合は新潟市)
- 入札
この順番は多少変わる場合もありますが、この流れが一般的です。
そしてこれらは一度にすべて行う事ができず、1つ1つ順序を踏んで進めていくのでそれ相応の時間がかかる為、計画的に行う必要があります。
【条件①】 建設業許可を取得している事
建設業許可を取得しているということは、法律で定められたいくつかの厳しい要件をクリアしており、社会的な信用性が高いとされます。
では、許可を取得しているから、すぐに入札参加できるのでしょうか?
【条件②】決算を1期終えている事
決算を終えるということは、「財務諸表」ができます。
この「財務諸表」は入札参加する上で評価される対象となる為、必ず必要となる書類です。
ここで注意していただきたいのは、実績がないからダメなのか…?という点です。
結論、実績がないこと自体は問題ありません。
もちろん、「実績(完成工事高)」も評価対象となりますが、
それ以外の要素(技術力、経営状況、社会性など)も評価対象となります。
ですが、実績のない会社に公共工事を請負うことは可能でしょうか・・・?
理論上は可能ですが、実績が全く無いとなると、実績のある他ライバル会社との競争に苦戦するのではないかと考えられます。
上記条件に該当したら、
①②にあるように決算を迎え、確定申告等の手続きを経て、決算書ができあがります。
③「経営状況分析」を受ける事
経営状況分析とは決算書(貸借対照表や損益計算書など)に基づき、
国土交通大臣の登録を受けた「経営状況分析機関」によって、企業の経営状態が数値化する手続きの事です。
これはただ売上が上がったから数値が高くなる、というようなものではなく、
・会社がどれだけ、効率良く収益を上げているか?
・売上高に対して経常利益がどれだけあるか?
・財務健全性(=会社の財務内容がどれだけ健全か?)
上記のような事を決算書を通して分析をします。(※上記は一例です)
④「経営事項審査」を申請する必要があります。
A社社長も入札参加登録(名簿登載)から行っていましたが、その申込をするためには、事前に「経営事項審査」の申請をすることが必須となります。
経営事項審査とは…
経営事項審査(経審)とは、公共工事の入札に参加したい建設業者が、必ず受けなければならない国の審査制度です。
会社の経営規模や技術力、経営状況などを審査し、客観的な指標として点数化され、それをもとにランクが決められます。
この経営事項審査の点数は、公共工事の競争入札で建設業者の資格審査をする際に用いられます。
国民の税金を原資とする公共工事ですから、建設業者を選ぶに当たり基準が必要となるのです。
経審事項審を行うメリットは入札参加以外にもあります。
1.入札参加ができる
2.会社の状況を客観的に把握することができる
3.民間工事でも経審を求める工事を請負事ができる
“経審=公共工事”というイメージが強いですが、実は民間工事でも経審を受けていることを条件にし、施工業者を公募していることがあります。
例えば、大規模マンションの修繕工事や行政から補助金が出る様な工事では経審を受けている建設業者あるいはその自治体の入札参加資格を得ている建設業者を使うことが見受けられます。
⑤「経営事項結果通知書」を受け取る
この通知書があることで、入札参加予定の自治体に参加登録することが可能となります。
⑥入札参加登録(入札参加資格)について
経営事項審査まで行えば、入札参加まで目前です。
入札参加申請をする前に注意しておきたい事は、
原則として「発注機関によって求める入札参加資格が異なる」という点です。
例えば、今回のA社の様に新潟市の入札参加資格を取得したからといって、新潟県内の別の市、(例えば三条市…など)の入札に参加はできません。
この場合、三条市の入札参加資格を取得しなければなりません。
むしろ、参加したい発注機関が複数ある場合はすべて申請してもいいのです。
その分、申請する書類等の準備が必要になりますので、事務作業が増えます。
ここで注意していただきたいのが、入札参加資格は永続的なものではなく、発注機関によって違いはあるものの、概ね2〜3年ごとの更新が求められます。(実際に新潟市も2年ごとに更新を行います。)
まとめ
今回の相談事例のA社のように、入札に参加したいけど、どうしたらいいかというご相談を受けます。
今回は建設業許可をお持ちで、ちょうど決算を迎えるという段階でしたので、新しくできた決算書で経営事項審査を受け、無事、新潟市の入札参加資格を得ることができましたが、それまでの資料の収集、申請書の作成には時間も多くとられます。
初めてであればなおさらです。
入札参加にはメリットも多くありますが、その会社様の状況によって判断することも大切です。




