常勤性の確認資料について

(事例)

◎A会社社長

2025年2月に会社設立をしました。

経管者も営業所技術者等(*)も社長の私の予定です。

 

◎トラスト

経管者としても営業所技術者等の要件も満たしていますね。

では、常勤性の確認資料として「健康保険証」等が必要になります。

 

◎A会社社長

健康保険や雇用保険、社会保険も加入していますが、「健康保険証」はありませんせん。どうしたらいいですか?

 

 

2024年12月より、健康保険証の新規発行が終了し、マイナンバーカードと保険証の一本化を進め、マイナ保険証の新しい仕組みが導入されています。

 

 

その主な理由として下記3点が挙げられています。

 

 

  • 医療情報のデジタル化・効率化

診療情報や薬の履歴を医療機関が確認しやすくなり、より適切な治療につながる

  • 行政手続きの簡素化

マイナンバーカードに保険証機能を持たせることで、住所の変更や転職による保険の切り替えがスムーズになる

  • 不正利用防止

顔認証が使えるマイナンバーカードによって他人によ成りすましを防ぎやすくなる

 

 

このは取り組みは建設業許可申請にも大きく関わってきます。

建設業許可の「経営業務管理責任者」、「営業所技術者等」は常勤性(*)が求められます。

常勤性の確認資料として、従来は会社名の入った「健康保険証」で認められていました。

保険証であれば、比較的簡単に証明ができましたが、保険証がそもそも発行されることがなくなとなると、どういった書類で証明することになるのでしょうか?

 

(*)常勤性:本社、本店等において、休日その他勤務を要しない日を除き、毎日所定の時間中、職務に従事していること。

 

マイナンバーカードでは確認資料には認められない!?                             

 

保険証の発行がなされないのであれば、マイナンバーカード(マイナ保険証)が確認資料としてなるのでは?と思われますが、マイナ保険証は確認資料として認められません。

 

マイナンバーカードには名前や生年月日は載っているものの、勤務先までは記載がないのです。よって、マイナンバーカードの写しを提出したとしても、どこに勤務しているか、いつから勤務しているかも確認できないので、確認資料として認められません。

 

 

では、どうしらいいのでしょうか?

結論からお話しすると、2択になります。

 

  • 現在保険証がまだ使用できるのであれば、それで申請することが可能

現在、お手元に有効の保険証があるのであれば、申請していただくことは可能です。

マイナカードへの変更前であれば、比較的簡単に申請が可能となります。

 

ただし、現在お持ちの保険証も2026年12月以降から原則として使用できなくなります。

 

《補足》

「資格確認書」というものがありますが、これはマイナンバーカードを持たない人向けの代替え手段とされいます。各自治体の窓口で申請するもので、有効期限があるため都度更新が必要になります。

 

 

別の確認資料を準備する

では、「健康保険証」を持たない人はどうしたらいいのでしょうか。

実は、「健康保険証」以外にも確認資料はいくつかあります。ここからは新潟県の手引きに沿ってご紹介していきます。

 

《 経営業務管理責任者・営業所技術者等 常勤性確認資料の一例 》

・当該営業所における直近3ヶ月分の出勤簿

・辞令書等、当該営業所に勤務していることがわかるもの

・健康保険・厚生年金保険資格取得確認及び標準報酬決定通知書

・健康保険・厚生年金保険被保険者標準決定通知書

・雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知用)又は雇用保険被保険者証

(対象者氏名が記載されていること)

 

とされています。

それぞれ簡単に見ていきましょう。

 

当該営業所における直近3ヶ月分の出勤簿

直近3ヶ月の出勤簿は専任技術者が従業員の方であれば、比較的証明する書類があることはありますが、役員の方で出勤簿をわざわざつけていない。ということも考えられます。

 

辞令書等、当該営業所に勤務していることがわかるもの

辞令書や覚書といったものがあればそれでも認められます。ですが、大きい法人であれば部署の移動等で作成されることも考えられますが、こちらもわざわざ書面として残しておく会社は多くはありません。

 

 

なので、弊所ではお客様には3番目以降の健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書等をご準備していただくことが多くあります。

会社で必ず保管していただく書類でもあるので、比較的準備していただきやすいものかと思います。

 

 

健康保険・厚生年金保険資格取得確認及び標準報酬決定通知書

標準報酬決定通知書は、被保険者の標準報酬月額を記載した書面のことです。

 

常勤性を証明する方の名前が入っている事が求められます。

 

健康保険・厚生年金保険被保険者標準決定通知書

 

社会保険事務所または健康保険組合返却される書類です。 『被保険者標準報酬決定通知書』には、従業員ごとの新しい標準報酬月額が記載されています。

 

雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知用)又は雇用保険被保険者証

健康保険被保険者証は、健康保険に加入していることを証明するものであり、雇用保険被保険者証は雇用保険に加入していることを証明するものです。

 

加入された際にご本人様と会社様の方でそれぞれ保管する流れになっている事が多です。

 

 

まとめ                                                  

これまで常勤性の確認書類として「健康保険証」1枚で済んでいたのが、今後は複数の書類の提出が求められてくる事が考えられ、事務的負担がかかります。

 

今回、常勤性の証明書類について正しく理解しないまま申請すると、スムーズに行かず、時間がかかってしまうことも考えられます。

 

時代の流れによって申請時の添付書類も変化していくように、変更した部分はしっかりと理解した上で申請していきたいです。

 

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