【建設業ご相談事例】解体工事の実務経験

質問 新潟県内の建設会社A社

この度、個人事業を法人化して、設立後に「解体工事業」の許可を取得したいと考えています。解体工事の専任技術者として考えている者が専任技術者の要件を満たしているのか、実務経験年数などの計算がよくわからないため教えてください。

回答 トラスト行政書士事務所

解体工事業の許可取得をご予定なのですね。まずはその方がこれまで働いていた会社の経験年数をざっくりで構いませんので教えていただけますか?

質問者 新潟県内の建設会社A社

法人(X社)で8年、個人事業主の下で3年の解体工事の実務経験があります。

回答 トラスト行政書士事務所

 解体工事の実務経験は、合計で11年あるのですね。次に、その方が働いていた会社の許可についてお伺いしたいのですが、X社さんと個人事業者は建設業許可を保有されていましたか。

質問者 新潟県内の建設会社A社

 X社は解体工事業の許可を保有しています。個人事業者は許可をもっていません。

回答 トラスト行政書士事務所

 個人事業者は建設業許可を取得されていないのですね。では、解体工事業の登録はされていましたか。

質問者 新潟県内の建設会社

 解体工事業の登録もしていないようです。

回答 トラスト行政書士事務所

なるほど。ということは法人での解体工事の経験が8年ありますので、次に該当すれば専任技術者として選任することができます。

  • 土木工事及び解体工事の実務経験の合算が12年以上あり、そのうち解体工事の実務経験が8年以上
  • 建築工事及び解体工事の実務経験の合算が12年以上あり、そのうち解体工事の実務経験が8年以上
  • とび土工及び解体工事の実務経験の合算が12年以上あり、そのうち解体工事の実務経験が8年以上

そのほかには、複数工事業種の実務経験期間の重複が認められる例外規定というのがあります。

これは平成28年5月31日までに「とび・土工工事業」の許可を受けて請け負った解体工事又は解体工事業登録業者として請け負った解体工事については、解体工事業の実務経験として認められるだけでなく、とび土工コンクリート工事業の実務経験としても認められます。る、というものです。いかがでしょうか。

質問者 新潟県内の建設会社A社

X社での実務経験は8年しかありません。X社と個人事業者以外での職歴はありません。

回答 トラスト行政書士事務所

そうなると、残念ですが「解体工事業の登録」又は建設業許可の「土木工事業」、「建築工事業」、「解体工事業」を保有していない個人事業者の下での経験は、実務経験年数には入りませんので、2年間の実務経験が不足していることになり、専任技術者にはなれません。

しかし、8年の実務経験がありますので、解体工事業登録を申請することが可能です。貴社で解体工事業の登録を申請し、2年の解体工事の実績を積んだ後、専任技術者として選任することができます。

質問者 新潟県内の建設会社

わかりました。解体工事業の登録についてはなんとなくの知識しかないのでどのような登録か教えてください。

回答 トラスト行政書士事務所

はい。ご説明致します。解体工事を行う場合は、元請け・下請けを問わず「建設業許可」か「解体工事業の登録」が必要になります。請負金額が500万円以上の解体工事を行う場合は、「建設業許可」が必要となり、請負金額が500万円未満の解体工事を行うには「解体工事業の登録」が必要になります。

ただし、建設業許可の「土木工事業」、「建築工事業」、「解体工事業」のいずれかの許可を有している場合は、「解体工事業の登録」は不要となり請負金額500万円未満の解体工事を請け負うことができます。

質問者 新潟県内の建設会社

500万円未満でも、解体工事は登録が必要になるのですね。その登録はどこで行いますか。うことになるのでしょうか?

回答 トラスト行政書士事務所

解体工事を行う区域を管轄する都道府県知事の登録を受ける必要があります。

たとえば、新潟県と山形県で解体工事を行う場合、新潟県知事と山形県知事の登録が必要になります。

質問者 新潟県内の建設会社

弊社は○○なので、登録するとしたら○○が窓口になりそうですね。ところで、登録も許可もないまま解体工事を請け負った場合はどうなりますか。

回答 トラスト行政書士事務所

はい。登録も許可もなく500万円未満の解体工事を請け負った場合の罰則は「1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑」となります。500万円以上の解体工事を請け負った場合は、「3年以下の懲役または300万円以下の罰金刑」が適用されます。

懲役や罰金刑が定められていますし、場合によっては建設業許可が受けられなくなるリスクもありますので、もし解体工事業を請け負う場合はご注意ください。

質問者 新潟県内の建設会社

わかりました、ありがとうございます。参考にさせて頂きます。

まとめ

以上は、せっかく解体工事の実務経験が10年以上ありながら、個人事業者が解体登録をしていなかったために実務経験としてカウントできずに許可を申請することができなかった事例です。続いて、解体工事業の登録の手続きについてより詳しく要件をご説明します。

解体工事業を登録するための要件

解体工事業の登録では、主に2つの要件を満たすことが重要です。

  1. 欠格要件に該当しないこと
  2. 技術管理者を設置していること

≪欠格要件≫

まず欠格要件に該当しないことが求められます。具体的には、次のような9つの要件があります。該当するケースは稀かもしれませんが、念のため全要件に目を通してください。

  1. 解体工事業の登録を取り消された日から2年を経過しない者
  2. 解体工事業の登録を取り消された法人において、その処分日の前30日以内に役員であり、かつその処分日から2年を経過していない者
  3. 解体工事業の業務停止を命ぜられ、その停止期間が経過していない者
  4. 建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑を受け、その執行が終ってから2年を経過していない者
  5. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  6. 解体工事業者が未成年で、法定代理人が(1)から(5)のいずれかに該当するとき
  7. 法人でその役員のうちに(1)から(5)までのいずれかに該当する者がいるとき
  8. 技術管理者を選任していないとき
  9. 暴力団員等がその事業活動を支配する者

≪技術管理者≫

次に、技術管理者が選任されていることが要件となります。より具体的には、以下で説明する下記の資格又は実務経験のいずれかに該当する、技術管理者を選任していることが必要です。
なお、解体工事に関する実務経験については、必要な建設業許可又は解体工事業登録を受けて請け負ったものに限り、認められます。

資格

建設業法による技術検定

  • 1級建設機械施工技士
  • 2級建設機械施工技士(「第1種」又は「第2種」に限る)
  • 1級土木施工管理技士
  • 2級土木施工管理技士(「土木」に限る)
  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士(「建築」又は「躯体」に限る)

建築士法による建築士

  • 1級建築士
  • 2級建築士

技術士法による第二次試験

  • 技術士(「建設部門」)

職業能力開発促進法による技能検定

  • 1級とび・とび工
  • 2級とび+解体工事実務経験1年
  • 2級とび工+解体工事実務経験1年

国土交通大臣の登録を受けた試験

  • 国土交通大臣の登録を受けた試験に合格した者
  • 実務経験
  • 大学、高等専門学校において土木工学等に関する学科を修了した者
  • 実務経験年数2年以上または国土交通大臣が実施した講習又は登録した講習を受講した場合の実務経験年数1年以上
  • 高等学校、中等教育学校において土木工学等に関する学科を修了した者
  • 実務経験年数4年以上または国土交通大臣が実施した講習又は登録した講習を受講した場合の実務経験年数3年以上

上記以外の者

実務経験年数8年以上または国土交通大臣が実施した講習又は登録した講習を受講した場合の実務経験年数7年以上

※土木工学等に関する学科とは、「土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む。)、建築学、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科」です。

資格で証明するケースは比較的容易ですが、実務経験で証明する場合、その経験年数なども含め、冒頭で触れたように計算や判断がわかりにくいことも多くあります。もし微妙な場合は「ダメだ」と決めてしまわず、行政窓口にご相談いただくか、行政書士など専門家と相談してみるほうがよいでしょう。

≪登録申請手数料≫

最後に、解体工事業の登録を行う場合の申請手数料についてご案内いたします。

  • 新規申請 33,000円
  • 更新申請 26,000円

以下の建設業許可を受けている場合、重ねて解体工事業の登録は不要です。

土木工事業、建築工事業、解体工事業

藤崇建設株式会社 様

とび・土工工事業

許可年月日:令和4年8月31日

link株式会社 様

とび・土工工事業

許可年月日:令和4年11月26日

株式会社レインロード 様

板金工事業

許可年月日:令和4年9月25日

合資会社さいとうシステム 様

とび・土工工事業

許可年月日:令和4年9月21日

株式会社TRAD ONE 様

管工事業

許可年月日:令和4年11月17日

江南施工サービス株式会社 様

左官工事、防水工事 

許可年月日令和3年2月3日

税理士さんからご紹介で会社設立とセットでご依頼をいただきました。

株式会社Jアーキテクト様

建築一式工事業

許可年月日令和3年5月19日

弊社お取引先である親会社様より建設子会社設立とセットでご依頼いただきました。

稲田建築 様

大工工事業

許可年月日令和3年7月14日

以前弊社で建設業許可を取得された建設業者様のお取引先ということでご紹介いただきました。

Lic-style株式会社 様

内装仕上工事業

許可年月日令和3年11月17日

代表の方とは約10年前からのお付き合いで、新たに建設業許可申請をご依頼いただきました。

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