建設業を営んでいる方から、次のようなご質問をいただくことがあります。
「主任技術者と監理技術者は何が違うのでしょうか?」
「監理技術者は、いくら以上の工事で必要になりますか?」
「下請工事でも監理技術者を配置する必要がありますか?」
「主任技術者は複数の現場を兼務できますか?」
「営業所技術者等が現場の主任技術者を兼ねることはできますか?」
建設業法では、建設工事の適正な施工を確保するため、工事現場に技術者を配置することが義務付けられています。
この工事現場に配置する技術者には、主に**「主任技術者」と「監理技術者」**の2種類があります。
どちらも建設工事の施工管理を担当する重要な技術者ですが、配置が必要になる条件や資格要件には違いがあります。
また、2025年2月1日からは、監理技術者の配置や技術者の専任が必要となる金額基準が引き上げられました。
さらに、2024年12月13日からは、一定の要件を満たす場合に、主任技術者・監理技術者が複数の現場を兼務できる制度なども設けられています。
今回は、主任技術者と監理技術者の違いについて、最新の制度を踏まえながら詳しく解説します。
1.主任技術者と監理技術者とは?
建設業法第26条では、建設業者が請け負った建設工事を施工する場合、工事現場に主任技術者または監理技術者を配置することを定めています。
これらの技術者は、一般的に「配置技術者」と呼ばれます。
配置技術者の役割は、建設工事が適正に施工されるよう、技術上の管理を行うことです。
例えば、次のような業務を担当します。
- 施工計画の作成
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
- 工事現場で働く技術者などへの指導監督
建設工事では、工期の遅れや施工不良、安全管理の不備などが重大な問題につながることがあります。
そのため、建設業法では、一定の資格や実務経験を有する技術者を配置することによって、適正な施工を確保しようとしています。
主任技術者と監理技術者の大きな違い
両者の大きな違いは、配置が必要になる条件と資格要件です。
主任技術者は、建設業者が請け負った工事について、原則として配置が必要になります。
一方、監理技術者は、発注者から直接工事を請け負った元請業者が、一定金額以上の下請契約を締結する場合に配置が必要になります。
また、監理技術者には、主任技術者より厳しい資格や実務経験の要件が設けられています。
2.主任技術者と監理技術者の違いを比較
まずは、主な違いを表で確認してみましょう。
| 比較項目 | 主任技術者 | 監理技術者 |
|---|---|---|
| 根拠法令 | 建設業法第26条第1項 | 建設業法第26条第2項 |
| 配置する建設業者 | 原則として建設業者全般 | 一定規模以上の下請契約を締結する元請業者 |
| 元請・下請の区別 | 元請・下請のいずれも対象 | 元請業者が対象 |
| 配置の判断基準 | 原則として請負金額にかかわらず配置 | 下請契約の合計金額で判断 |
| 資格要件 | 国家資格や一定の実務経験など | より厳しい資格・実務経験など |
| 主な役割 | 担当工事の施工管理 | 担当工事全体の施工管理、下請業者の総合的な指導監督 |
| 現場専任 | 工事内容や金額によって必要 | 工事内容や金額によって必要 |
重要なのは、監理技術者が必要になるかどうかは、原則として元請業者が締結する下請契約の合計金額で判断するという点です。
元請として受注した工事金額だけで判断するわけではありません。
3.主任技術者とは?
主任技術者とは、建設工事の施工において、技術上の管理を行う技術者です。
建設業法第26条第1項では、建設業者が請け負った建設工事を施工する場合、原則として工事現場に主任技術者を配置することが義務付けられています。
主任技術者は元請・下請の両方で必要
例えば、次のような場合です。
ケース①:元請として住宅のリフォーム工事を受注
建設会社Aが、お客様から住宅のリフォーム工事を直接請け負いました。
この場合、建設会社Aは、原則として主任技術者を配置する必要があります。
ただし、下請契約の合計金額が監理技術者の配置基準に達する場合には、主任技術者に代えて監理技術者を配置することになります。
ケース②:下請として配管工事を受注
建設会社Bが、元請会社から配管工事を下請として受注しました。
この場合も、建設会社Bは、原則として主任技術者を配置する必要があります。
下請業者だから技術者の配置が不要になるわけではありません。
小規模な工事でも主任技術者は必要?
建設業許可を取得している建設業者が工事を施工する場合、原則として工事金額の大小にかかわらず主任技術者の配置が必要です。
例えば、100万円の工事であっても、建設業者が施工する場合には、原則として主任技術者を配置する必要があります。
ただし、一定の特定専門工事については、所定の要件を満たすことで、下請業者の主任技術者の配置が不要となる制度があります。
また、建設業許可を受けずに軽微な建設工事のみを営む事業者については、建設業法第26条による配置義務の取扱いが異なります。
そのため、「どんな小さな工事でも、すべての事業者に主任技術者が必要」というわけではありません。
4.主任技術者の仕事内容
主任技術者は、建設工事を適正に施工するため、現場の技術上の管理を担当します。
主な業務は次のとおりです。
① 施工計画の作成
工事をどのような方法で進めるか、施工計画を作成します。
工事の内容、施工方法、必要な資材、作業手順などを検討します。
② 工程管理
工事が予定どおり進むように工程を管理します。
例えば、材料の納入時期や作業員の配置、他の工事との調整などです。
③ 品質管理
工事が設計図書や仕様書などに適合しているか確認します。
施工不良を防止し、必要な品質を確保することが重要です。
④ 安全管理
工事現場で事故が発生しないよう、安全管理を行います。
危険な作業の確認や安全対策の実施などが含まれます。
⑤ 技術者などへの指導監督
工事に従事する技術者や作業員などに対して、施工上必要な指導監督を行います。
このように、主任技術者は、現場の施工を技術面から管理する重要な役割を担っています。
5.監理技術者とは?
監理技術者とは、発注者から直接建設工事を請け負った元請業者が、一定金額以上の下請契約を締結する場合に、主任技術者に代えて配置する技術者です。
監理技術者は、元請業者として工事全体の施工管理を行うとともに、下請業者に対する総合的な指導監督などを担当します。
監理技術者が必要になる金額
2025年2月1日から、監理技術者の配置が必要になる下請契約の金額基準は、次のとおりです。
| 工事の種類 | 下請契約の合計金額 |
|---|---|
| 建築一式工事以外 | 5,000万円以上 |
| 建築一式工事 | 8,000万円以上 |
※金額は消費税を含む金額です。
例えば、元請会社が1億円の管工事を受注し、その工事について下請業者に合計6,000万円の工事を発注する場合です。
この場合、元請会社は監理技術者を配置する必要があります。
また、監理技術者の配置が必要になる規模の下請契約を締結するためには、原則として該当業種の特定建設業許可が必要になります。
6.監理技術者の配置は元請工事の金額で決まるわけではない
ここは、特に間違えやすいポイントです。
監理技術者の配置が必要になるかどうかは、元請として受注した工事金額だけで決まるわけではありません。
重要なのは、元請業者が締結する下請契約の合計金額です。
ケース①:1億円の工事を受注し、下請契約が3,000万円
例えば、建設会社Aが発注者から1億円の土木工事を受注したとします。
そのうち、下請業者へ発注する工事の合計金額が3,000万円だった場合です。
この場合、下請契約の合計金額は5,000万円未満です。
そのため、下請契約の金額を理由として監理技術者の配置が必要になるわけではありません。
原則として主任技術者を配置することになります。
ただし、工事の請負金額などによっては、主任技術者の専任が必要になります。
ケース②:1億円の工事を受注し、下請契約が6,000万円
同じく1億円の土木工事を受注した場合でも、下請契約の合計金額が6,000万円であれば、監理技術者の配置が必要になります。
この場合、元請会社には特定建設業許可も必要になります。
ケース③:下請業者が6,000万円の工事を受注
元請会社から6,000万円の工事を下請として受注した建設会社Bがあったとします。
建設会社Bは、さらに一部の工事を別の業者へ再下請に出す予定です。
この場合、建設会社Bは発注者から直接工事を請け負った元請業者ではありません。
そのため、建設会社Bには、原則として監理技術者の配置義務は生じません。
ただし、主任技術者の配置義務や一括下請負の禁止など、他の建設業法上の規制には注意が必要です。
7.下請契約の合計金額はどのように計算する?
監理技術者の配置基準を判断する場合、下請契約の金額を合計する必要があります。
例えば、元請会社が次のような下請契約を締結したとします。
- A社への下請契約:2,000万円
- B社への下請契約:1,500万円
- C社への下請契約:2,000万円
合計は5,500万円です。
建築一式工事以外の工事であれば、5,000万円以上となるため、監理技術者の配置が必要になります。
下請契約を分割しても合計で判断する
下請契約を複数に分けたとしても、金額を個別に判断するわけではありません。
同一の元請工事を施工するために締結した下請契約の合計金額で判断します。
また、金額には消費税を含みます。
なお、元請業者から下請業者へ材料を支給する場合には、支給材料の取扱いによって判定額が変わることがあります。
実際の工事では、契約内容を確認したうえで判断することが重要です。
8.監理技術者の仕事内容
監理技術者の基本的な仕事内容は、主任技術者と共通しています。
例えば、次のような業務です。
- 施工計画の作成
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
- 技術者などへの指導監督
しかし、監理技術者の場合には、元請業者として、下請業者を含めた工事全体を総合的に管理する役割がより重要になります。
下請業者の施工を総合的に管理する
例えば、大規模な建築工事では、次のような業者が工事に参加します。
- 基礎工事業者
- 鉄筋工事業者
- 型枠工事業者
- 電気工事業者
- 管工事業者
- 内装工事業者
それぞれの業者が独立して工事を進めるだけでは、工事全体を円滑に完成させることはできません。
工事の順序や施工方法を調整し、品質や安全を確保する必要があります。
監理技術者は、元請業者の立場で、こうした工事全体の技術上の管理を担当します。
そのため、主任技術者よりも厳しい資格や経験が求められています。
9.主任技術者になるための資格要件
主任技術者になるためには、担当する建設工事の業種に応じた資格や実務経験などが必要です。
主な方法は、次のとおりです。
① 国家資格などを取得している場合
例えば、次のような資格です。
- 1級土木施工管理技士
- 2級土木施工管理技士
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士
- 1級管工事施工管理技士
- 2級管工事施工管理技士
- 1級電気工事施工管理技士
- 2級電気工事施工管理技士
ただし、資格によって主任技術者になれる建設業種は異なります。
例えば、2級施工管理技士の場合には、検定の種別などによって対応する業種が異なることがあります。
そのため、資格を持っていればすべての建設工事の主任技術者になれるわけではありません。
② 指定学科の卒業と実務経験による場合
建設業法では、一定の指定学科を卒業し、必要な実務経験を有する場合にも、主任技術者の資格要件を満たせることがあります。
一般的な基準は、次のとおりです。
| 学歴 | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 大学の指定学科卒業 | 卒業後3年以上 |
| 高等専門学校の指定学科卒業 | 卒業後3年以上 |
| 高等学校の指定学科卒業 | 卒業後5年以上 |
| 中等教育学校の指定学科卒業 | 卒業後5年以上 |
| 上記以外 | 原則として10年以上 |
また、一定の専門学校卒業者などについても、所定の条件により実務経験年数が短縮される場合があります。
さらに、施工管理技術検定の第一次検定合格者についても、一定の条件のもとで実務経験年数が短縮される制度があります。
ただし、対象業種や必要な実務経験などには条件があります。
③ 10年以上の実務経験による場合
指定学科を卒業していない方でも、原則として担当する建設業種について10年以上の実務経験があれば、主任技術者の要件を満たせる場合があります。
ただし、実務経験の内容が対象業種に該当することや、必要な期間を証明できることが重要です。
単に建設会社に10年間勤務していたというだけで、すべての業種の主任技術者になれるわけではありません。
10.監理技術者になるための資格要件
監理技術者になるためには、主任技術者より厳しい資格要件が設けられています。
特に重要なのが、指定建設業7業種と、それ以外の22業種の違いです。
指定建設業7業種
指定建設業は、次の7業種です。
- 土木工事業
- 建築工事業
- 電気工事業
- 管工事業
- 鋼構造物工事業
- 舗装工事業
- 造園工事業
これらの業種では、監理技術者になるために、原則として対応する1級の国家資格などが必要です。
例えば、土木一式工事の監理技術者であれば、1級土木施工管理技士など、所定の資格が必要になります。
指定建設業では、単に実務経験が長いというだけでは監理技術者になれません。
指定建設業以外の22業種
指定建設業以外の22業種については、所定の国家資格を有する場合のほか、一定の指導監督的な実務経験によって監理技術者の資格要件を満たせる場合があります。
ただし、実務経験による場合には、主任技術者の資格要件を満たしていることに加え、一定の元請工事について、所定の指導監督的な実務経験を有することなどが必要です。
そのため、単に10年以上の実務経験があれば監理技術者になれるというわけではありません。
11.監理技術者資格者証は必要?
監理技術者を配置する場合には、資格だけでなく、監理技術者資格者証や監理技術者講習についても確認が必要です。
特に、公共工事で監理技術者を専任配置する場合には、所定の監理技術者資格者証の交付を受け、必要な講習を受講していることが求められます。
監理技術者資格者証は、監理技術者として必要な資格などを確認するためのものです。
ただし、すべての監理技術者について、あらゆる工事で一律に資格者証が必要になるわけではありません。
公共工事か民間工事か、専任配置が必要かなどによって、適用される要件を確認する必要があります。
12.主任技術者・監理技術者の「専任」とは?
ここまで、主任技術者と監理技術者の配置について説明してきました。
しかし、建設業法では、技術者を配置するだけでなく、一定の工事については、工事現場ごとに「専任」で配置することが求められています。
専任とは、原則として、他の工事現場の主任技術者や監理技術者を兼ねず、担当する工事現場の職務に従事することをいいます。
専任が必要になる金額
2025年2月1日から、主任技術者・監理技術者の専任が必要になる金額基準は、次のとおりです。
| 工事の種類 | 請負代金額 |
|---|---|
| 建築一式工事以外 | 4,500万円以上 |
| 建築一式工事 | 9,000万円以上 |
※金額は消費税を含む金額です。
ただし、この金額以上の工事がすべて専任対象になるわけではありません。
公共性のある施設・工作物や、多数の人が利用する施設・工作物に関する重要な建設工事など、建設業法施行令で定められた工事が対象になります。
公共工事だけでなく、一定の民間工事も対象になることに注意が必要です。
また、一定の要件を満たす場合には、専任配置の特例が認められます。
13.監理技術者の配置基準と専任基準は違う
建設業者の方が特に混同しやすいのが、監理技術者の配置基準と、主任技術者・監理技術者の専任基準です。
この二つは、まったく別の基準です。
監理技術者の配置基準
元請業者が締結する下請契約の合計金額で判断します。
- 建築一式工事以外:5,000万円以上
- 建築一式工事:8,000万円以上
主任技術者・監理技術者の専任基準
対象となる工事の請負代金額で判断します。
- 建築一式工事以外:4,500万円以上
- 建築一式工事:9,000万円以上
例えば、元請会社が6,000万円の管工事を受注し、下請契約の合計金額が2,000万円だったとします。
この場合、監理技術者の配置基準である5,000万円には達していません。
そのため、原則として主任技術者を配置します。
しかし、元請工事の請負代金額は4,500万円以上です。
したがって、専任対象となる重要な建設工事であれば、原則として主任技術者の専任配置が必要になります。
つまり、主任技術者だから専任が不要というわけではありません。
14.主任技術者・監理技術者は複数の現場を兼務できる?
建設業界では、技術者不足が大きな課題となっています。
そのため、近年、一定の条件のもとで技術者の兼務を認める制度が整備されています。
2024年12月13日からは、情報通信技術の活用などを前提として、主任技術者や監理技術者が複数の工事現場を兼務できる新たな制度が設けられました。
専任特例1号
専任特例1号は、一定の条件を満たす場合に、専任配置が必要な工事現場を兼務できる制度です。
主な要件として、次のようなものがあります。
- 工事の請負代金額が一定額未満であること
- 兼務する工事現場が2か所以下であること
- 工事現場間の移動時間などの要件を満たすこと
- 情報通信機器を活用できること
- 現場の施工管理体制が確保されていること
- その他、法令で定められた要件を満たすこと
対象となる請負代金額は、原則として次のとおりです。
| 工事の種類 | 請負代金額 |
|---|---|
| 建築一式工事以外 | 1億円未満 |
| 建築一式工事 | 2億円未満 |
ただし、金額だけで兼務が認められるわけではありません。
工事現場間の距離や施工管理体制など、複数の要件を満たす必要があります。
専任特例2号
専任特例2号は、監理技術者補佐を配置することなどによって、監理技術者が複数の工事現場を兼務できる制度です。
監理技術者補佐には、所定の資格要件があります。
また、兼務できる現場数などにも制限があります。
このように、現在は一定の条件のもとで技術者の兼務が認められていますが、制度ごとに要件が異なるため、個別の確認が必要です。
15.工事途中で主任技術者から監理技術者への変更が必要になる場合
工事開始時には主任技術者を配置していたものの、工事途中で監理技術者の配置が必要になる場合があります。
例えば、次のようなケースです。
当初、元請会社が8,000万円の土木工事を受注し、下請契約の合計金額は3,000万円を予定していました。
そのため、主任技術者を配置して工事を開始しました。
しかし、工事途中で施工内容が変更され、下請契約の合計金額が6,000万円になりました。
この場合、下請契約の合計金額が5,000万円以上となるため、元請会社は主任技術者に代えて監理技術者を配置する必要があります。
また、該当業種について特定建設業許可が必要になります。
工事途中の変更には注意
監理技術者を配置するためには、所定の資格要件を満たす技術者が必要です。
そのため、工事途中で急に監理技術者が必要になっても、すぐに対応できない場合があります。
工事開始時から下請契約の増額が予想される場合には、あらかじめ監理技術者を配置できる体制を整えておくことが重要です。
16.主任技術者と営業所技術者等の違い
建設業許可に関する技術者には、主任技術者や監理技術者のほかに「営業所技術者等」があります。
以前は「専任技術者」と呼ばれていましたが、2024年12月13日施行の改正に伴い、現在は「営業所技術者等」という名称が使用されています。
営業所技術者等とは?
営業所技術者等とは、建設業許可を受ける営業所ごとに配置する必要がある技術者です。
建設工事の請負契約を締結する際に、技術的な観点から適切な判断を行うことなどが役割です。
例えば、次のような業務に関わります。
- 工事の施工方法の検討
- 見積内容の技術的な確認
- 工事に関する技術的な説明
- 請負契約に関する技術的なサポート
主任技術者との違い
主任技術者は、工事現場で施工の技術上の管理を担当します。
一方、営業所技術者等は、営業所において技術的な業務を担当します。
つまり、役割を簡単に整理すると、次のようになります。
主任技術者・監理技術者
工事現場の施工管理を担当する技術者
営業所技術者等
営業所で建設工事の請負契約に関する技術的な業務を担当する技術者
なお、資格や実務経験の要件には共通する部分がありますが、配置される場所や担当する職務は異なります。
17.営業所技術者等は主任技術者を兼ねることができる?
建設業者の方から、特に多くいただくご質問です。
「営業所技術者等として登録している人を、現場の主任技術者にすることはできますか?」
結論として、一定の要件を満たす場合には、兼務が認められます。
営業所技術者等は、原則として所属する営業所に常勤し、専らその職務に従事する必要があります。
しかし、建設業法では、一定の条件のもとで現場の主任技術者や監理技術者の職務を兼ねることが認められています。
専任を要しない工事の場合
例えば、次のような条件が問題になります。
- 所属する営業所で請負契約が締結された工事であること
- 営業所と工事現場が近接していること
- 営業所と工事現場の間で常時連絡が取れること
- 営業所の職務に支障がないこと
- 工事現場で専任配置が必要とされないこと
実際に兼務できるかどうかは、工事内容や勤務状況などによって判断されます。
専任を要する工事の場合
2024年12月13日からは、一定の要件を満たす場合に、営業所技術者等が専任を要する工事現場の技術者を兼務できる制度も設けられました。
ただし、工事金額、営業所と現場の距離、情報通信技術の活用、施工管理体制などについて、所定の条件を満たす必要があります。
そのため、従来より兼務できる場合が広がりましたが、すべての工事で自由に兼務できるわけではありません。
特に、一人親方や少人数の建設会社では、営業所技術者等と現場技術者の兼務が重要になるため、事前に確認することをおすすめします。
18.主任技術者・監理技術者の配置で注意したいこと
主任技術者や監理技術者を配置する際には、次の点に注意が必要です。
① 元請工事の金額だけで判断しない
監理技術者の配置が必要になるかどうかは、原則として下請契約の合計金額で判断します。
元請工事の請負金額だけで判断しないように注意しましょう。
② 配置と専任を混同しない
主任技術者・監理技術者を配置する義務と、専任で配置する義務は別です。
監理技術者が必要かどうかと、現場専任が必要かどうかを分けて確認する必要があります。
③ 資格が対応する業種を確認する
国家資格を持っていても、すべての建設業種の主任技術者・監理技術者になれるわけではありません。
資格の種類や検定種別などによって、対応する業種が異なります。
④ 直接的かつ恒常的な雇用関係を確認する
配置技術者については、建設業者との直接的かつ恒常的な雇用関係が求められます。
特に、公共工事などでは、一定期間以上の雇用関係が必要になる場合があります。
名義だけを借りて技術者を配置することは認められません。
⑤ 工事途中の変更に注意する
工事途中で下請契約の金額が増加した場合、主任技術者から監理技術者への変更が必要になることがあります。
また、請負金額の変更によって専任配置が必要になる場合もあります。
⑥ 兼務できるかどうかを事前に確認する
技術者の兼務については、複数の制度があり、それぞれ要件が異なります。
安易に兼務させるのではなく、適用できる制度と要件を確認することが重要です。
19.よくある質問
Q.主任技術者と監理技術者はどちらが上ですか?
監理技術者には、主任技術者より厳しい資格や経験が求められます。
ただし、単純な上下関係というより、配置が必要になる工事の条件や役割が異なると考えるとよいでしょう。
Q.下請業者でも監理技術者が必要ですか?
原則として、監理技術者の配置義務は、発注者から直接工事を請け負った元請業者に生じます。
下請業者は、原則として主任技術者を配置します。
Q.元請工事が1億円なら監理技術者が必要ですか?
元請工事の金額が1億円というだけでは、監理技術者の配置が必要とは限りません。
下請契約の合計金額が、建築一式工事以外では5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上になるかどうかが重要です。
Q.主任技術者は複数の現場を兼務できますか?
専任が必要ない工事であれば、適正な施工管理ができる範囲で複数の現場を担当できる場合があります。
また、専任が必要な工事でも、一定の要件を満たせば兼務できる制度があります。
Q.一人親方でも主任技術者になれますか?
必要な資格や実務経験を満たしていれば、本人が主任技術者になることは可能です。
ただし、営業所技術者等との兼務や、他の現場との兼務については、別途要件を確認する必要があります。
Q.監理技術者がいる現場には主任技術者も必要ですか?
同一の建設業者が担当する工事について、主任技術者に代えて監理技術者を配置する場合、その建設業者が別途主任技術者を配置する必要はありません。
ただし、その工事に参加する下請業者には、それぞれ主任技術者の配置義務が生じるのが原則です。
20.まとめ|主任技術者と監理技術者の違いを正しく理解しよう
主任技術者と監理技術者は、どちらも建設工事の適正な施工を確保するために重要な役割を担っています。
しかし、配置が必要になる条件や資格要件には違いがあります。
特に重要なポイントは、次のとおりです。
主任技術者
- 建設業者が施工する工事に原則として配置が必要
- 元請・下請のいずれも対象
- 国家資格や一定の実務経験などが必要
- 工事金額や内容によっては専任配置が必要
監理技術者
- 一定金額以上の下請契約を締結する元請業者に配置義務がある
- 建築一式工事以外では下請契約の合計5,000万円以上
- 建築一式工事では下請契約の合計8,000万円以上
- 主任技術者より厳しい資格や実務経験が必要
- 下請業者を含めた工事全体の施工管理を担当する
また、主任技術者・監理技術者の専任が必要になる金額基準は、原則として建築一式工事以外で4,500万円以上、建築一式工事で9,000万円以上です。
ただし、専任義務の対象工事や兼務の特例については、個別の要件を確認する必要があります。
建設業法では、技術者の配置に関する制度が近年大きく見直されています。
そのため、以前の基準のまま判断すると、技術者の配置を誤ってしまう可能性があります。
主任技術者と監理技術者の違いを正しく理解し、工事の内容や規模に応じた適切な技術者を配置することが重要です。
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また、建設業許可に関する技術者の資格要件や配置についてのご相談も承っております。
「主任技術者と監理技術者のどちらを配置すればよいかわからない」
「監理技術者の配置が必要になる金額を確認したい」
「保有している資格で主任技術者になれるか知りたい」
「営業所技術者等と現場の主任技術者を兼務させたい」
「一般建設業許可から特定建設業許可への変更を検討している」
「建設業許可の業種追加に必要な技術者を確認したい」
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