建具工事

工事をいいます。

国土交通省の建設工事の業種区分では、次のような工事が代表例として挙げられています。

  • 金属製建具取付け工事
  • サッシ取付け工事
  • 金属製カーテンウォール取付け工事
  • シャッター取付け工事
  • 自動ドア取付け工事
  • 木製建具取付け工事
  • ふすま工事

このように、建具工事業は単に住宅のドアや窓を取り付ける工事だけではありません。

商業施設やオフィスビル、工場などで使用される建具の取付け工事も対象となります。

2.建具工事業に該当する工事の具体例

① サッシ取付け工事

サッシ取付け工事とは、住宅やビルなどにアルミサッシなどを取り付ける工事です。

例えば、次のような工事が挙げられます。

  • 新築住宅のアルミサッシ取付け
  • 住宅の窓サッシ交換
  • マンションのサッシ取付け
  • 店舗や事務所の窓サッシ工事
  • 断熱性能の高いサッシへの交換

窓ガラスだけを交換する場合にはガラス工事業に該当するのが一般的ですが、サッシを取り付けたり交換したりする工事は建具工事業に該当します。

② シャッター取付け工事

シャッター取付け工事とは、店舗や工場、倉庫などにシャッターを取り付ける工事です。

例えば、次のような工事が挙げられます。

  • 店舗のシャッター取付け
  • 工場の大型シャッター取付け
  • 倉庫のシャッター取付け
  • 住宅のガレージシャッター取付け
  • 防火シャッターの取付け

シャッターは建物の防犯や防火などに関係する重要な設備です。

シャッターの取付け工事は、原則として建具工事業に該当します。

③ 自動ドア取付け工事

自動ドア取付け工事とは、店舗や病院、オフィスビルなどに自動ドアを設置する工事です。

例えば、次のような工事が挙げられます。

  • 店舗の自動ドア設置
  • 病院の自動ドア設置
  • オフィスビルの自動ドア設置
  • 商業施設の自動ドア交換

自動ドアには電気設備が使用されていますが、自動ドアの取付け工事は建具工事業に該当します。

ただし、独立した電気配線工事などについては、電気工事業との区分を確認する必要があります。

④ 金属製カーテンウォール取付け工事

金属製カーテンウォール取付け工事とは、建物の外壁部分に金属製のカーテンウォールを取り付ける工事です。

カーテンウォールとは、建物の構造体とは別に設けられる外壁のことです。

オフィスビルや商業施設などで使用されることがあります。

金属製カーテンウォールの取付け工事は、建具工事業に該当します。

⑤ 木製建具取付け工事

木製建具取付け工事とは、住宅などに木製のドアや引き戸などを取り付ける工事です。

例えば、次のような工事が挙げられます。

  • 木製ドアの取付け
  • 木製引き戸の取付け
  • 室内建具の交換
  • 木製建具の新設

木製の建具を取り付ける工事は、建具工事業に該当します。

ただし、建物の木造部分を施工する工事については、大工工事業との区分に注意が必要です。

⑥ ふすま工事

ふすま工事とは、住宅などにふすまを取り付けたり、交換したりする工事です。

建設業許可の業種区分では、ふすま工事も建具工事業に含まれます。

ただし、ふすま紙の張替えなど、建設工事に該当するか判断が必要な作業もあります。

3.建具工事業とガラス工事業の違い

建具工事業の許可を検討する際、特に注意したいのがガラス工事業との違いです。

例えば、住宅の窓を交換する工事です。

窓に関する工事であっても、施工内容によって業種区分が異なります。

ガラス工事業に該当する工事の例

  • 既存のサッシを使用した窓ガラスの交換
  • 店舗のショーウインドーのガラス取付け
  • 建物のガラス加工取付け工事

建具工事業に該当する工事の例

  • アルミサッシの取付け
  • 窓サッシの交換
  • 自動ドアの取付け
  • シャッターの取付け

つまり、ガラスそのものを加工して取り付ける工事はガラス工事業、サッシやドアなどの建具を取り付ける工事は建具工事業に該当するのが一般的です。

ガラス工事とサッシ工事の両方を行っている会社では、両方の建設業許可の取得を検討する必要がある場合があります。

4.建具工事業と大工工事業の違い

木製建具を取り付ける工事と、大工工事業との違いについても注意が必要です。

大工工事業とは、木材の加工または取付けによって工作物を築造したり、工作物に木製設備を取り付けたりする工事をいいます。

例えば、木造住宅の構造部分の施工や造作工事などが該当します。

一方、建具工事業は、ドアや引き戸などの建具を取り付ける工事が中心となります。

例えば、

  • 木製ドアの取付け:建具工事業
  • 木製引き戸の取付け:建具工事業
  • 木造住宅の柱や梁の施工:大工工事業
  • 建物内部の木造作工事:大工工事業

という違いがあります。

木材を使用する工事だからといって、すべて大工工事業になるわけではありません。

5.建具の修理や交換に建設業許可は必要?

建具工事業を営む会社では、新設工事だけでなく、修理や交換工事を行うことも多いと思います。

例えば、次のような作業です。

  • ドアの交換
  • サッシの交換
  • シャッターの交換
  • 自動ドアの交換
  • 建具の調整
  • 部品の交換

このうち、建具を新しく取り付けたり交換したりする工事は、建設工事に該当するのが一般的です。

そのため、1件の請負代金が税込500万円以上となる場合には、原則として建設業許可が必要になります。

一方、ドアの建付け調整や部品の点検など、単なる保守・点検作業については、建設工事に該当しない場合があります。

ただし、修理という名称で契約していても、実際には建具の交換工事を行っている場合には、建設工事に該当する可能性があります。

契約書に「修理」「メンテナンス」と記載されているかどうかではなく、実際の作業内容によって判断することが重要です。

6.建具工事業の建設業許可はいつ必要?

建具工事業については、1件の請負代金が税込500万円以上となる工事を請け負う場合、原則として建設業許可が必要です。

例えば、次のようなケースです。

  • 税込200万円の住宅のサッシ交換工事:原則として許可不要
  • 税込450万円の店舗のシャッター取付け工事:原則として許可不要
  • 税込600万円のビルの自動ドア設置工事:原則として許可が必要
  • 税込1,000万円の金属製カーテンウォール取付け工事:原則として許可が必要

ここで注意したいのは、500万円という金額は消費税込みで判断するという点です。

例えば、税抜460万円の建具工事であれば、消費税10%を加えると506万円になります。

この場合には、原則として建設業許可が必要です。

また、一つの工事を正当な理由なく複数の契約に分割した場合には、それぞれの請負代金を合算して判断します。

さらに、発注者がサッシやシャッターなどの材料を支給する場合には、その材料の市場価格や運送費を加算して判断する必要があります。

7.建具工事業の建設業許可を取得するための要件

建具工事業の建設業許可を取得するためには、主に次の要件を満たす必要があります。

① 経営業務の管理を適正に行う能力があること

建設業の経営について、一定の経験や管理体制が必要です。

例えば、建設業に関して5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する常勤役員等を置く方法があります。

この経験は、必ずしも建具工事業だけの経験である必要はありません。

他の建設業種での経営経験でも認められる場合があります。

② 営業所技術者等を配置すること

建具工事業の建設業許可を取得するためには、営業所ごとに所定の資格や実務経験を有する営業所技術者等を配置する必要があります。

一般建設業許可の場合、資格または実務経験などによって要件を満たす方法があります。

資格による方法

建具工事業に対応する資格の例として、次のようなものがあります。

  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)
  • 1級建具製作技能士
  • 2級建具製作技能士(合格後に所定の実務経験が必要となる場合があります)
  • 1級サッシ施工技能士
  • 2級サッシ施工技能士(合格後に所定の実務経験が必要となる場合があります)

なお、技能検定の作業区分や合格時期などによって、必要な条件が異なる場合があります。

実務経験による方法

資格を持っていない場合でも、建具工事について原則10年以上の実務経験があれば、営業所技術者等の要件を満たす可能性があります。

また、建築学などの指定学科を卒業している場合には、学歴に応じて必要な実務経験年数が短縮されることがあります。

例えば、指定学科を卒業した場合には、大学等の卒業後3年以上、高校等の卒業後5年以上の実務経験によって要件を満たす方法があります。

実務経験を証明する際には、過去の工事請負契約書、注文書、請求書などの資料が必要になる場合があります。

③ 誠実性があること

法人や役員等について、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが必要です。

④ 財産的基礎があること

一般建設業許可の場合には、原則として次のいずれかを満たす必要があります。

  • 自己資本が500万円以上あること
  • 500万円以上の資金調達能力があること
  • 許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して営業した実績があること

新規で許可を取得する場合には、決算書や金融機関の残高証明書などによって確認することがあります。

⑤ 社会保険に適切に加入していること

健康保険、厚生年金保険、雇用保険について、法令上加入義務がある場合には、適切に加入している必要があります。

⑥ 欠格要件に該当しないこと

一定の刑罰を受けた場合や、過去に建設業許可を取り消された場合など、建設業法で定められた欠格要件に該当しないことが必要です。

8.建具工事業は一般建設業と特定建設業のどちらが必要?

建設業許可には、一般建設業許可と特定建設業許可があります。

建具工事業の場合、発注者から直接請け負った工事について、下請業者に発注する工事代金の総額が税込5,000万円以上となる場合には、原則として特定建設業許可が必要です。

一方、下請業者として工事を受注する場合には、自社がさらに下請業者へ発注する金額が大きくても、そのことだけで特定建設業許可が必要になるわけではありません。

一般建設業許可と特定建設業許可では、財産的基礎や営業所技術者等の要件が異なります。

特に、特定建設業許可では、資本金2,000万円以上、自己資本4,000万円以上など、厳しい財産的基礎の要件があります。

9.建具工事業の建設業許可を取得する際の注意点

① 建具工事業とガラス工事業を混同しない

建具工事業の許可を取得したからといって、ガラス工事業に該当する工事をすべて請け負えるわけではありません。

ガラスの交換工事とサッシの交換工事の両方を行っている会社では、両方の許可取得を検討する必要がある場合があります。

② 自動ドアの取付けと電気工事の違いに注意する

自動ドアの取付け工事は建具工事業に該当します。

しかし、自動ドアの設置に伴う独立した電気配線工事などについては、電気工事業に該当する場合があります。

そのため、工事全体の内容を確認することが重要です。

③ 実務経験の証明に注意する

長年建具工事に従事していても、実務経験を証明する書類が不足している場合があります。

特に、建具の製作だけを行っていた場合には、建設工事の実務経験として認められるか確認が必要です。

建設業許可では、建具を製作して販売していた経験と、現場で建具を取り付ける工事の経験とでは、取扱いが異なる場合があります。

そのため、過去の工事内容や契約書類などを確認することが重要です。

10.新潟県で建具工事業の建設業許可を取得するなら

当事務所では、新潟市を中心に、新潟市近郊の建設業許可申請をサポートしています。

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また、当事務所は行政書士法人と司法書士法人を併設しているため、建設業許可だけでなく、会社設立、役員変更、本店移転、事業目的変更などの登記手続についてもワンストップで対応することが可能です。

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このようなご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ|建具工事業の建設業許可は工事内容と取得要件の確認が重要

建具工事業は、木製または金属製の建具などを工作物に取り付ける工事を対象とする建設業許可の業種です。

サッシの取付け、シャッターの取付け、自動ドアの取付け、木製建具の取付けなど、さまざまな工事が含まれます。

一方、ガラスの交換工事などについては、ガラス工事業に区分される場合があるため、注意が必要です。

また、税込500万円以上の建具工事を請け負う場合には、原則として建設業許可が必要になります。

許可取得には、経営経験、営業所技術者等、財産的基礎などの要件を満たす必要があります。

新潟県で建具工事業の建設業許可をご検討の方は、まずは自社の工事内容と許可要件を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

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